Posted on August 17 2018
日本画をモチーフにした一体目と違い、打って変わってスチームパンク風のセットに腰掛ける可愛らしいドール。SFの世界から飛び出てきたかのような、未来感を感じさせます。
訪れた女性が思わず「負けた」とつぶやいてしまうほど滑らかな肌には、当たり前ですがシミひとつありません。肌がシリコン製のため、ドールは一体20kg以上の重さ。こちらのドールは、先に紹介したドールとは違い、オリジナルに対してカスタマイズを加えていないため、「可愛らしい」顔立ちを保っています。
セットをよくよく見ると、ドールを作るための “型” が並べられています。このセットにドールを加えた「空間全体」がひとつの芸術作品です。
今回ご紹介したのは2体のみですが、この他にも5体のドールがそれぞれの存在感を持って展示されていました。
ラブドールは不気味の谷を超えたのか
近年「JIBO」や「Tapia」などの人型ではないロボットが注目を集める一方で、大阪大学の石黒浩教授が手がける「マツコロイド」など、人を模したロボット(アンドロイド)も大きな注目を集めています。そこで話題になるのが、不気味の谷と呼ばれる現象。ロボットが人に近づいていく過程で、私たち人間はなんとも言い難い奇妙さを感じる瞬間があります。「オリエント工業製のラブドール」は、それ自体は確実に不気味の谷を超える完成度の高さでした。しかし、それがアンドロイドとなり、口元が動いたり手が動いた瞬間に、私たちは何か大きな違和感を感じるのかもしれません。
オリエント工業の外観を突き詰めた技術と、ロボット業界の「動かす」技術を掛け合わせたら、どんなロボットが生まれるのか。そんなことを考えさせられる美術展でした。ぜひ、GWにでも足を運んでみてはいかがでしょうか。